○坂戸、鶴ヶ島下水道組合情報公開条例

平成15年3月17日

条例第1号

坂戸、鶴ヶ島下水道組合(以下「組合」という。)が保有する情報は、坂戸市及び鶴ヶ島市(以下「構成市」という。)の市民と組合との共有の財産であり、これを広く公開することは、地方自治の本旨に由来する開かれた組合行政を推進するために不可欠である。情報公開は、この理念を達成するための制度として発展してきたものである。

組合は、その制度の重要性を認識し、市民が知りたいときに組合の保有する情報を得られるよう市民の知る権利を尊重するとともに、組合行政の諸活動について説明する責務を全うし、市民の信頼と理解のもと、より一層公正で透明性のある組合行政を進めていかなければならない。

このような考え方に立って、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、実施機関の保有する情報の公開を求める市民の権利を保障するとともに、情報の公開の総合的な推進に関し必要な事項を定め、もって公正で開かれた組合行政を推進し、市民の組合行政参加の促進に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「実施機関」とは、情報の公開をしなければならない機関であって、次に掲げるものをいう。

(1) 管理者、監査委員

(2) 議会

2 この条例において「情報」とは、実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。)に記録されているものであって、当該実施機関の職員が組織的に利用するものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。

3 この条例において「情報の公開」とは、実施機関がこの条例の規定(第19条の規定を除く。)により、情報を閲覧若しくは視聴に供し、又はその写しを交付することをいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、次に掲げる事項について最大限の配慮をしなければならない。

(1) 実施機関が保有する情報は公開することを原則とし、公開しないことができる情報は必要最小限にとどめること。

(2) 基本的人権としての個人の尊厳を守るため、個人に関する情報がみだりに公開されないための措置を講ずること。

(3) 公正かつ迅速な救済措置を講ずること。

(4) 市民にとって分かりやすく、利用しやすい情報公開制度となるよう努めること。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより情報の公開を受けたものは、これによって得た情報をこの条例の趣旨にのっとり適正に使用しなければならない。

(情報の公開を請求できるもの)

第5条 次に掲げるものは、実施機関に対し、情報の公開(第5号に掲げるものにあっては、そのものの有する利害関係に係る情報の公開に限る。)を請求することができる。

(1) 構成市内に住所を有する者

(2) 構成市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体

(3) 構成市内に存する事務所又は事業所に勤務する者

(4) 構成市内に存する学校に在学する者

(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が行う事務事業に利害関係を有するもの

(公開請求の手続)

第6条 前条の規定による請求(以下「公開請求」という。)をしようとするものは、実施機関に対し、次に掲げる事項を記載した請求書を提出しなければならない。

(1) 氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 公開請求しようとする情報の件名その他の情報を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、実施機関が定める事項

2 実施機関は、前項の請求書に形式上の不備があると認めるときは、公開請求をしたもの(以下「公開請求者」という。)に対し、相当の期間を定めて、その補正を求めることができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(実施機関の公開義務)

第7条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る情報に次の各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該情報を公開しなければならない。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれのあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令(法律、法律に基づく命令(告示を含む。)及び条例をいう。以下同じ。)の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報

 人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報

 公務員の職務の遂行に当たって記録された当該公務員に関する情報

(2) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公開することにより当該法人等又は当該個人に明らかに不利益を与えると認められるもの。ただし、人の生命、身体、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報を除く。

(3) 組合と国等(国、他の地方公共団体又はこれらに準ずる団体をいう。以下同じ。)との間における審議、検討、協議等に基づいて作成し、又は取得した情報であって、公開することにより、国等との協力関係又は信頼関係を著しく損なうおそれがあると認められるもの

(4) 人の生命、身体、生活、財産等の保護、犯罪の捜査及び予防その他の公共の安全と秩序の維持のため、公開しないことが必要であると認められる情報

(5) 組合及び国等の内部又は相互間における審議、検討、調査研究等に関する情報であって、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、市民の間にみだりに混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当な利益を与え、若しくは不利益を及ぼすと認められるもの

(6) 組合又は国等が行う検査、監査、取締りの計画、争訟及び交渉の方針、試験の問題、職員の身分取り扱い、犯罪の捜査及び予防その他の事務事業に関する情報であって、当該事務事業の性質上、公開することにより、当該事務事業の公正かつ適正な執行を著しく困難にするおそれがあると認められるもの

(7) 法令の定めるところにより、又は各大臣等による法的拘束力のある指示により公開することができないとされている情報

(一部公開及び期間経過後の公開)

第8条 実施機関は、公開請求に係る情報の一部に非公開情報が記録されている場合において、その部分を容易に、かつ、公開請求の趣旨を損なわない程度に分離することができるときは、その部分を除いて当該情報の公開をしなければならない。

2 実施機関は、公開請求に係る情報に非公開情報が記録されている場合であっても、期間の経過により非公開情報に該当しなくなったときは、当該情報の公開をしなければならない。

(公益上の理由による裁量的公開)

第9条 実施機関は、公開請求に係る情報に非公開情報が含まれている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当該情報を公開することができる。

(情報の存否に関する取扱い)

第10条 公開請求に対し、当該公開請求に係る情報が存在しているか否かを答えるだけで、非公開情報として保護すべき利益が害されることとなるときは、実施機関は、当該情報の存否を明らかにしないで、当該公開請求を拒否することができる。

(公開するかどうかの決定)

第11条 実施機関は、公開請求に係る情報の全部を公開するとき(以下「全部公開」という。)は、その旨の決定をし、公開請求者に対し、速やかに当該決定の内容を書面により通知しなければならない。

2 実施機関は、公開請求に係る情報の一部を公開するとき(以下「一部公開」という。)は、その旨の決定をし、公開請求者に対し、速やかに当該決定の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。この場合において、公開部分以外の情報が期間の経過により公開できるものである場合で、かつ、その期日が明示できるときは、その期日を付記しなければならない。

3 実施機関は、公開請求に係る情報の全部を公開しないとき、(前条の規定により公開請求を拒否するとき及び公開請求に係る情報を保有していないときを含む。以下「非公開」という。)は、公開をしない旨の決定をし、公開請求者に対し、速やかに当該決定の内容及びその理由を書面により通知しなければならない。この場合において、当該情報が期間の経過により公開できるものである場合で、かつ、その期日が明示できるときは、その期日を付記しなければならない。

(決定等の期限)

第12条 実施機関は、公開請求があったときは、当該公開請求を受けた日から起算して15日以内に前条各項の決定(以下「公開決定等」という。)をしなければならない。ただし、第6条第2項の規定により補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は、当該期間に算入しない。

2 実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由により、前項に規定する期間内に公開決定等をすることができないときは、公開請求があった日から起算して60日を限度としてその期間を延長することができる。この場合において、実施機関は、公開請求者に対し、速やかに当該延長の理由及び決定できる期日を書面により通知しなければならない。

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第13条 公開請求に係る情報に組合及び公開請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、公開決定等をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、公開請求に係る情報の名称その他実施機関が定める事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、全部公開又は一部公開の決定に先立ち、当該第三者に対し、公開請求に係る情報の名称その他必要な事項を書面により通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合は、この限りでない。

(1) 第三者に関する情報が記録されている情報を公開しようとする場合であって、当該情報が第7条第1号イ又は同条第2号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が記録されている情報を第9条の規定により公開しようとするとき。

3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該情報の公開に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、全部公開又は一部公開の決定をするときは、当該決定の日と公開を実施する日との間に少なくとも2週間の期間を設けなければならない。この場合において、実施機関は、当該決定後直ちに、反対意見書を提出した第三者に対し、公開の決定をした旨及びその理由並びに公開を実施する日を書面により通知しなければならない。

(公開の実施)

第14条 実施機関は、全部公開又は一部公開の決定をしたときは、公開請求者に対し、速やかに当該情報の公開をしなければならない。

2 閲覧又は視聴の方法による情報の公開においては、実施機関は、当該情報の保存に支障を生ずるおそれがあると認めるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

(費用負担)

第15条 情報の公開に係る手数料は、無料とする。ただし、情報の写しの交付を行う場合の当該写しの交付に要する費用は、公開請求者の負担とする。

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第16条 公開決定等又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

(審査会への諮問)

第17条 実施機関は、公開決定等又は公開請求に係る不作為について、行政不服審査法の規定に基づく審査請求があったときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、別に定める坂戸、鶴ヶ島下水道組合情報公開・個人情報保護審査会に諮問し、その答申を十分に尊重して当該審査請求についての裁決をしなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり、却下するとき。

(2) 裁決で、審査請求に係る一部公開又は非公開の決定を取り消し、又は変更し、当該審査請求に係る情報の全部を公開することとするとき。ただし、一部公開又は非公開の決定について反対意見書が提出されている場合を除く。

2 前項の規定により諮問をした実施機関は、次に掲げる者に対し、諮問をした旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下この項及び次条第2号において同じ。)

(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る公開決定等について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(第三者からの審査請求を棄却する場合等における手続)

第18条 第13条第3項の規定は、実施機関が、次の各号のいずれかに該当する裁決をする場合について準用する。

(1) 全部公開又は一部公開の決定に対する第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する裁決

(2) 審査請求に係る一部公開又は非公開の決定を変更し、当該決定に係る情報を公開する旨の裁決(第三者である参加人が当該情報の公開に反対の意思を表示している場合に限る。)

(情報の任意的公開)

第19条 実施機関は、第5条の規定により情報の公開を請求することができるもの以外のものから情報の閲覧若しくは視聴又は写しの交付の申出があった場合は、これに応じるよう努めるものとする。

2 実施機関は、この条例の適用を受ける情報以外の情報の閲覧若しくは視聴又は写しの交付の申出があった場合は、これに応じるよう努めるものとする。

3 第15条の規定は、前2項の申出による情報の閲覧若しくは視聴又は写しの交付を行う場合について準用する。

(情報の検索資料の作成等)

第20条 実施機関は、情報の検索に必要な資料を作成し、閲覧に供するものとする。

(情報公開制度に関する事務の改善等)

第21条 実施機関は、この条例による情報公開制度に関する事務を公正かつ能率的に運営するため、当該事務の改善に必要な措置を講ずるものとする。

2 実施機関は、前項の措置のうち重要と認めるものについては、別に定める坂戸、鶴ヶ島下水道組合情報公開・個人情報保護審議会の意見を聴かなければならない。

(実施状況の公表)

第22条 管理者は、毎年度各実施機関における情報の公開等の実施状況を取りまとめ、公表するものとする。

(情報の提供)

第23条 実施機関は、この条例の定めるところにより情報の公開を行うほか、組合行政に関する情報を市民に積極的に提供するよう努めるものとする。

(他の制度との調整)

第24条 この条例は、他の法令等の規定により情報の閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本等の交付を受けることができる場合については、適用しない。

2 この条例は、前項に規定するもののほか、市民等の利用に供することを目的として管理している図書等については、適用しない。

(委任)

第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が別に定める。

1 この条例は、平成15年10月1日から施行する。

2 この条例は、平成15年4月1日以後に実施機関が作成し、又は取得した情報について適用する。

(平成17年条例第2号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

(平成18年条例第3号)

この条例は、平成18年10月1日から施行する。

(平成28年条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。

(平成29年条例第2号)

この条例は、公布の日から施行する。

坂戸、鶴ヶ島下水道組合情報公開条例

平成15年3月17日 条例第1号

(平成29年3月17日施行)

体系情報
第3編 組織・処務/第2章
沿革情報
平成15年3月17日 条例第1号
平成17年3月22日 条例第2号
平成18年3月24日 条例第3号
平成28年3月10日 条例第1号
平成29年3月17日 条例第2号